フィクションで救われる人・破滅する人

個人的な事情とフィクションを強引に結びつけるやや「痛い」話があります。「そういうのは見たくない」と言う方は飛ばしてください。
私は2年ほど前統合失調症になったことがきっかけで運送会社を辞めてしまい、その上定職に就かず実家でヒキニートしているというほぼ経済的に破綻した状態で生活をしていました。
こうした生活から抜け出して、自分の生活を立て直そう・自分のやりたいことを仕事にしようと真剣に考えるようになったきっかけが「アークナイツ」と言うゲームでした。
物語を通して病気が原因で迫害されている人々が描かれたのと、私の琴線にふれたアニメ13話の「お前はお前のやりたいことをやれ、こんなことしたくないだろ」というファウスト君魂の叫びが私のやる気スイッチを呼び醒まして自分の人生を好転させてくれた(=今では地元の中小企業で働いて経済的に苦労することはあんま無くなった)のですが、こうしたフィクションがきっかけで人生が好転したのは私がたまたま日本国民で健常者(にもなりえる)で労働者階級で、それも様々な社会的制約が課されていない特権階級だったからに過ぎないのでは...とも思うようになりました。フィクションがきっかけで人生が破綻している・あるいはホントに生命の危険がある場所に行ってしまったという人も実際見かけたからです。
「今月はFGOに15万・アークナイツに3万使った。これが”経済への貢献”だ」
アークナイツというゲームはキャラクターを獲得できるか否かがゲーム内の仮想通貨を使ったがガチャ...つまりはギャンブルになっているのですが、このようなビジネスモデルにはやはり「引っかかってしまう」人がいるらしく社会復帰をマジメに考えだしたころ通っていた発達障害者の自助グループ(私は統失の他にも自閉症スペクトラム症候群と診断されてた)にこのようなことを言う人がいました。
「今月はFGOに15万・アークナイツに3万使った。これが”経済への貢献”だ」
私は彼女の発言を訊いて「どこにんなカネ落とす要素があるんだよ...オペレーターを揃えたいなら上級資格証貯めるかサポートで借りればいいだろ💢」とイラっと来てしまい、彼女の金銭リテラシーとゲームそのものに対してギャンブルに脆弱な人をカモにするゲームなのかなあ...と訝しむようになりました。まあ私も今月レイズネキのガチャに6000円くらい使っちゃったんで(笑)あんま人のことは言えませんが。
同時に、ネット上のオタク間でまことしやかに言われている「オタクは経済に貢献している」というジョークの様な言説を鵜呑みにしてしまう人もいるのだというのも警戒するようになりました。自力で稼いでない人から18万円カネを巻き上げてそれを”経済への貢献”なんて言うなんてバカげてます。どうせギャンブルをするならそのカネは生産手段と生産力を使って創り出すべきです。
フロストノヴァのアクリルキーホルダーをウクライナ戦争に持って行った中国人
ここからはギャンブル中毒者の話よりももっと深刻です。二次情報が多いので実際のところ真偽は定かではありませんが、「フロストノヴァのアクリルキーホルダーをウクライナ戦争に持って行って行方不明になった中国人の男性がいる」という噂がTwitter・Bilibiliで話題になっています。
ロシア軍に参加した中国国籍の人物が戦地で行方不明になり、その方が使っていたフロストノヴァのアクキーが飾られた自動小銃に見覚えがないか呼びかけるツイートを見かけて、なんという言葉を述べればいいのかわからなくなった。 エレーナは自らを迫害したウルサス帝国に似たプーチンのロシアのやり方を憎むだろうこと。 にも関わらず、銃にエレーナを飾って侵略者の手先になる道を進んだ。 もしかしたら彼と友人になれる道もあったかもしれないと夢想すると痛くなる。 >>.元ツイート x.com/i/status/200...
— きあみふ (@kiamifu6101.bsky.social) 2025-12-21T06:30:42.600Z
A Chinese national joined the Russian Army and went lost since November 9 near Pokrovsk. According to his last massages he was carrying this flashy Arknights plate with his avtomat. Is there anyone came across this rifle or its owner on Ukrainian videos? Thanks.🧐 pic.twitter.com/JFNhhv2z2B
— Suyi控 (@partizan_oleg) 2025年12月19日
この噂がホントだとして、「なんでウルサス軍にず~っと迫害されてたノヴァ様のグッズ持ってロシア軍に入るんだよ...興味関心とやってることが矛盾してるじゃね~か💢」と怒りと悲しみを感じました。
そしてこの中国人男性の投稿だというBilibiliの動画を見てみたのですが、どうやらもともと軍事やプロパガンダ映像に並々ならぬ関心がありその上何かしらの精神的な問題があった人なのかなあと言うのが分かってきました。このような軍事やプロパガンダに憧れる下地があり、その上ロシアの様な外国の軍隊にオルグされやすいという国や社会の事情があるとこの様な悲劇が起こるのかもしれません。
ギャンブル中毒者や戦地で命を落とすかもしれない人を国が責任をもって救済するべきではないのか?
こうした人々に私が真っ先に感じたのは「何て愚かな人なんだ。もう少し自分の人生マジメに考えろよ」という安易な自己責任論なのですが、同時に自己責任と言うだけではこうした個々人の不幸を防ぐことはできないだろうとも考えています。
「存在しない場所の真実:反人種差別主義者になる方法」という書籍を解説した動画では、こうした個々人の失敗を内面や自己責任の問題とする見方は誤っており、個々人の失敗も政策を変更するためのフィードバックにするべきであると提唱しています。
例えばガチャゲーがギャンブル中毒者を生み出さないようにするためには日本の法律でやはりそうしたギャンブルをより厳しく規制する、あるいはギャンブルに脆弱である人々がタダでより効果的な治療や支援を受けられるようにする等の政策が効果があるでしょう。IR法案やパチンコ・競馬・ガチャゲーが利権と化している現状ではこんな政策は難しいかもしれませんが、ホントに国民のためになるならこういうラジカルな政策もやって見せるべきです。
そして日本国民が例の中国人男性の様に外国の軍隊に参加して最悪の場合命を落とす・身体や精神を壊されるという事態を防ぐには、前もって日本国民が準軍事組織やPMCに籍を置くことを禁止する・準軍事組織やPMCに関係する企業の資金は凍結する等の法律を新設するべきかもしれません。同時に「もう軍隊やPMCに入るしかない」などと精神的に追い詰められている人々がそれを治療したり悩みを気軽に相談出来たり、あるいはそんな所より良い待遇で生活に困らないだけの給与を稼げるという仕組みを責任をもって作っておくべきです。そもそも若者が軍隊やPMCにオルグされてしまうのはカネになるからです。中国人に限らず、日本が経済的に衰退していくようなことがあれば日本の若者が外国の軍隊やPMCにオルグされるかもしれないというのをこの一件で危惧するようになりました。
【Coloso】どんな角度からでも描けるようになる人物画練習ドリル #01ー腕の矯正、体格の描き分け、ジェスドロ
絵がスランプなんでとにかく練習に取り組んどこう、ってことで「どんな角度からでも描けるようになる人物画練習ドリル」という講座を買っときました。
腕の矯正
講座開いて「うわ~マジかよorz」と真っ先に思ったのが、そもそも根本的なペンタブで絵を描くときのペンの持ち方がなってなかったなあという事。「長い線を描くときは腕を使って手首を固定し、腕の動きで線を描く」という描き方が身につかないとダメだそうです。正直この動きをやってると腕がパンパンになっちゃって辛いんすよね...
早速腕の筋トレを始めたのと、腕の矯正に使えるテンプレを作って毎朝やるようにしてみました。
体格の描き分け
体格の描き分けなんかは順調に学習が進みました。理想体型での骨格の比率・8等分した曲線からアタリを描き起こす、体格でキャラクターを表すってのは早速絵描くのに役立てられそうっすね。
ジェスドロ
イメージに合ったキャラクターの構図やポーズを描き出せるようにするには、ジェスチャードローイングをやっとくと良いそうです。これも朝30分の練習時間で習慣化してみるようにしてみました。


今さら健康に気を使うことにしたオタク→2分瞑想・筋トレをはじめてみた
最近職場のジジイが「キミ、気が利かないねぇw」などと小言を言ってきたり、あるいは独裁国家がまた人を拉致ってたりとでイライラすることが重なってました。
イスラエル海軍はどうやら全部フネを拿捕して曳航するらしい。三つ編み野郎が読み上げてる限りだとAshdod港に行け、って命令してる。 これって領海外でやってたら海賊行為とか”拉致”とかに相当するんじゃないの? www.youtube.com/watch?v=uEN2...
— ニム (@nymnwales.bsky.social) 2025-10-01T20:30:59.407Z
んで気晴らしに秋葉原に行ったりしたんですが、睡眠剤の量が増えたり最近疲れてんのがなかなか取れないなどなどの不健康がたたってるのもあるかな~ということで健康に良い生活と言うのをはじめてみることにしました。
2分瞑想
つーわけで、朝起きて昼食を取ったらまずは瞑想する、というのをはじめてみることにしました。写真とか絵とかを眺めながらその世界に2分集中する、ってのをまずやってみてます。
筋トレ:腕を中心に
それとColosoの講座をやってたら「長い線を描くときには手首を固定して腕を中心に描く」という画法が出てきました。これを実践したら腕がクッソ痛くなってきて耐えられなかったんで(笑)腕を中心に体を鍛える筋トレを再開してみました。
とりあえずアークナイツの周回をしつつ
・腕立て30回
・サイドアップ20回*左右
・レッグレイズ30回
というコースで筋トレしてます。「ドブで藻掻いてろ!」「この目にお前の〇を映す!」などなどと美少女の攻撃的な罵声を聞いていると私もアタマに血が上って(笑)やる気が出ます。ソシャゲやってる人は推しの罵声を聞きながら筋トレするのがおすすめです。
【今更エヴァ、序】「あれえ...ミサトさんってこんなダメな大人だったっけぇ😅」
最近いい絵とかゲームとかがぜ~ん全思い浮かばないんで、「なんかいいネタないかなあ」とエヴァの謎本だの原画集だの、あるいは物置で眠ってた貞本義行のエヴァの漫画だのを引っ張り出して読んでみてます。あとはアマプラで新劇場版の序破急→旧アニメ→シンという順で見直してみようかなあと。
つーわけでエヴァオタが新世紀エヴァンゲリオンを今更論評する、というシリーズを始めてみることにしました。
「あれえ...ミサトさんってこんなダメな大人だったっけぇ😅」
久々に見てて思ったことは、「あれえ...ミサトさんってこんなダメな大人だったっけぇ😅」って事っすね。14歳の子どもを預かるのに食い物は酒とつまみしか用意してねえし、多少作戦でミスったシンジ君を胸倉掴んでひっぱたいたりするし... これは「母親がわりになりきれないキャリアウーマン」というプロットデバイスの都合でこういう描写ってのは分かってるんですがやっぱアニメみたいにシンジ君らとの心の交流があった上でこういう描写があったほうがミサト⇔シンジの関係性にリアリティーがあるかなあと。
たぶんミサトさんの脳内イメージがちょっと違った、ってのは最近ミサトさんの中の人が「子どもを傷つけるヤツは絶対許さない爆裂暗〇系母上」ってのを演じてそのイメージだったから、ってのあるかも。詳しくは↓コレを見てね。
やはりガキのころは実際教師が理不尽教師だったり、あるいは低偏差値のバカばっかしかいない暴力中学校だったりしたんで感覚がちょっと麻痺してたんすが(笑)、いざ文明社会で数年過ごすと大人の都合を押し付けるゲンドウやミサトさんらといった子どもがいる大人・あるいは保護者に特有の傲慢さが鼻につくようになりました。

あとは↑のミサトさんにひっぱたかれる直前にニチャァ...と笑うシンジ君。「あ~あ、大人がこんなんだと子どもこうなっちゃうよw」と思わず苦笑しました。ガキのころはこういう「なぜこういう表情?」ってのにあんま気づかなかったんで、変な知識と変な人生歴を身に着けた大人としてちょっとは成長したかなぁと実感してます。
あと、ヤシマ作戦みたいなトントン拍子で軍事用語が読み上げられてくあのシーンはやっぱテンション上がっちゃいますね。コレもはやオタクの習性みてえなモンだな(笑)
テスト中や深夜の塾にいるときにアタマで流れる曲
それと、ガキの頃テストで数学のひっかけ問題が解けなかったり、あるいは夜塾に居残ってたりするとアタマのなかで↓コレが流れ始めてた、ってのも良い思い出です。
コレを流すとヤシマ作戦の壮絶な戦いが走馬灯のように脳裏に浮かんで「逃げちゃダメだ!!」という覚悟と諦念が固まって、なんかスラスラテストの答案が書けてた記憶が...つーかアニメの論評というよりかは完全に個人的な体験っすね(笑)
最近やらかしが目立つガイナックス関係者たち
キャラクターデザインの貞本義行が平和の少女像を「キッタネー少女像」呼ばわりして、ヒロインの声優林原めぐみが参政党臭い排外主義を振り撒いて、主人公の声優緒方恵美がこれなのだから、もう『エヴァンゲリオン』信者を見たらヘイターだと思うべき。
— 星川あゆむ (@hoshikawaayumu.bsky.social) 2025-06-13T10:02:00.471Z
もう一つエヴァンゲリオンを論じるうえで触れなきゃけないのが、ガイナックスの関係者だという人たちになんか変な失言ややらかしが目立つようになってきた、という事ですね。エヴァンゲリオン信者を見たらヘイターだと思うべき、かあ。う~ん、作品が良くてもこういう思想の人らが絵描いて声出して...ってなるとそう思われんのも仕方ないっすね。こういうのを「ダメだと思います」ってちゃんと言う人はとても立派で、作品の信者だから中の人らの人間性までわざわざ擁護しなきゃいけないという道理はありませんしね。
私は「アークナイツ」の声優降板、M本R香の参政党支持者の言説にオルグされてるかのような発言などなどもこれまでに取り上げているんで、公正を期して「プラグ深度がマイナス値になっちゃったガイナ関係者たち」というこういう変な失言ややらかしをしてる人らをまとめた記事ってのを書いとくのもアリかなあ、って思ってます。まあエヴァ見終わるまでにちょこっとアンテナ立てておくかあ(笑)
【Skyrim】中国語フォントが文字化けする問題

中国語のフォントNexusmods等からお取り寄せすれば治ります。それだけ。
"HuaJianCi - Another Chinese Fonts"なんかがオススメです。

しっかし、夜になるとこのyayueさん作の濁スカがメチャクチャキレ~なんですよねえ。あとはスマホで翻訳機かざして中国語読めるようにしとこうかな。
難しい言語なんすけど、アークナイツの中国語版読んだり中国語のMOD読んだりすんののに役立ちそうなんで。
追記:MCMが豆腐になる
"Japanese Font Library”のようなMCM用のフォントの.swfファイル・設定がある翻訳用MODをDL、中国語フォントをロード順を後にして↓このようにMCM用のフォントを指定すればなおります。たぶん中国ではMCMってあんま使われてないんでしょうかねぇ。

いや~MCMが豆腐になる、ってこんな変な使い方したことないから初めて知ったわ...orz
「多動症(ADHD)のエクソン遺伝子(DRD4-7R)があるとリベラル政党に投票しやすくなる」という奇説について(※一応当てはまるケースはあるっちゃある)」
この奇説は脳科学者のアンデシュ=ハンセンの著作「多動脳」に載っていて参考文献もちゃんと記されてます。ガキのころADHD(Attention-Deficit Hyperactivity Disorder)と診断されたことがあるんでちょっと興味が湧いて調べてみました。
ちなみに私は自分の属性が変なカタカナ語やアルファベットだったりするのがなんか気に食わないんで、以降ADHDは「多動症」と書かせていただきます。個人的に「多動症」という名称もなんか気に食わないんで、脳科学に即したもっと客観的な名称になったらいいなあ〜と思ってるんですが。
それはさておき、ここでまずこの奇説の大前提となる変な脳科学・遺伝学の用語と基礎知識を整理しときます。人間の脳にはドーパミンという神経伝達物質が存在するのですが、これは主に「報酬系」という連合学習や快感を核とする感情を生み出す脳神経回路に関わっています。まどろっこしい脳科学用語では、これを「誘因顕著性(英語版)(すなわち、「欲しい」という気持ち、報酬への欲望や渇望、および動機づけ)、連合学習(主に正の強化および古典的条件づけ)、そして正の感情価をもつ感情、特に快感を核とする感情(例えば、喜び、多幸感、エクスタシー)に関与する神経構造群である」と表現しています。
報酬系にはドーパミン作動製ニューロンという文字通りの脳細胞があるんですが、この脳細胞が作動するにはドーパミン受容体D4(Dopamin Recepter D4、DRD4)というタンパク質がドーパミンと結合する必要があります。このドーパミン受容体は他の人間のタンパク質と同様遺伝子=核酸からのタンパク質生合成によって生成されるので、核酸上にはこのDRD4と対になるエクソンがあるということになります。
詳しいことはよくわからないんですが、DRD4が変異して7回の繰り返しの配列となっている場合(DRD4-7R)があるようです。このような遺伝配列となっているとドーパミン受容体にも変異が起こり、よりドーパミンに反応しにくくなるドーパミン受容体が生成されるそうです。
DRD4、もしくはDRD4-7Rは第11染色体に含まれてるらしいんですが、少なくとも両親がこの遺伝子を持っているかあるいは突然変異でこういう配列になるかでDRD4-7Rをもつ人になる可能性があるってことでしょう。
DRD4-7Rとドーパミン受容体・多動症の関係
全ての多動症者がDRD4-7Rを持っているわけではありませんが、多動症者はこうしたドーパミン受容体・もしくは脳の報酬系に関わる遺伝子を持つケースが多いというのが明らかになっています。多動症と有意に関係のあるドーパミン受容体・報酬系に関わる遺伝子としてはDRD4-7Rとその他4つの遺伝配列が、また視床下部の形成に関わる遺伝子としてPTCHD1という遺伝子が紹介されています。
アンデシュ=ハンセンが特に注目しているのがDRD4-7Rで、ここではDRD4-7Rを持つ人は多動症が有意に多いという統計学的な事実に加え多動症者は過食症・拒食症、セックス依存症、ゲーム依存症を併発するリスクが通常者よりも高いという事例が紹介されています。まあこういう活動がドーパミンとなんか関係ある活動だからってことでしょう。N=1の調査ですが、実際私はコーヒー中毒で萌え系のキャラが大好きで(笑)ゲーム中毒で…という多動症者の「リスク」とされる事例にだいぶ当てはまってる感があります。アンデシュ=ハンセンの本とは別件ですが、ドーパミンが関わってるからなのか自閉症者や多動症者はギャンブル中毒になりやすいというのもあるようです。
#読書 「背表紙が笑えたから」というふざけた理由で買った「ギャンブル脳」、神経発達症とギャンブル中毒の関係が載ってて「へぇ〜こっちもかぁ」と。やはりドーパミン受容体が関係してんだろうか。 ソシャゲ中毒でゲーム中毒+ちょっとアレがある私がギャンブル中毒にはならなかったのって奇跡的っすね😂
— ニム (@nymnwales.bsky.social) 2025-09-27T06:38:05.974Z
DRD4-7Rで狩猟に適した脳になる・より遠くに行きたがる?
ドーパミンと直接関係ありそうな事例の他にも、DRD4-7Rと人類学的な調査という変わった事例が挙げられています。N=3000ほどの北ケニアのアリアール族を対象にした調査では、狩猟民のアリアール族はDRD4-7Rを持つ人ほど栄養状態が良い、逆に農耕民のアリアール族はDRD4-7Rを持つ人ほど栄養状態が悪いということが明らかになってます。正直ドーパミン受容体と狩猟・農耕の関係はよくわからないんですが、巡り巡ってDRD4-7Rは狩猟に適した脳を作り出すってことなんでしょう。
もう1つの面白い事例は、N=2000の調査によるとDRD4-7Rを持つ人はホモ=サピエンスが誕生されたとされる東アフリカからより遠くに分布しているということです。実際南米人の約50-70%はDRD4-7Rを持っています。DRD4-7Rは、数世代をかけてホモ=サピエンスを遠くに移動させるのに適した遺伝子ということなのかもしれません。
ちなみに中国人でかつ多動症だという人にはDRD4-7RよりもDRD4-2Rという遺伝子を持つ人が多く、こちらもより「鈍い」ドーパミン受容体を作り出すそうです。日本人で多動症であるという人も多分似たような遺伝子を持ってるんでしょう。
DRD4-7Rを持つ人は政治的思想が左派的=リベラルになる?
DRD4-7Rが直接関係しそうな事例としてドーパミン受容体と多動症との関係・人類学的な調査に関しては「まあ、脳がそうなってるとそういうところに現れるのかねぇ」と納得したんですが、1つ個人的に腑に落ちない珍説が「多動脳」には紹介されています。これはN=1771の調査でDRD4-7Rを持つ人は左派的=リベラル的な政党に投票する人の割合が多かったというものです。この論拠となる論文が「Association between the dopamine D4 receptor gene exon III variable number of tandem repeats and political attitudes in female Han Chinese」らしいんですが、こちらはカネ払わないと見れないみたいなんでアブストラクトのみを読み、もう1つの「Friendships Moderate an Association Between a Dopamine Gene Variant and Political Ideology」は無料で読めるんで一応通しで確認しときました。
「Association between the dopamine D4 receptor gene exon III variable number of tandem repeats and political attitudes in female Han Chinese」
https://royalsocietypublishing.org/doi/full/10.1098/rspb.2015.1360
この論文のアブストラクトを読んだ限りではN数が1771と統計学的な根拠とするには十分な信頼水準の調査が行われていると言えます。しかし調査対象が「シンガポール在住の漢民族の女性の大学生」となっており、この論文から読み取れるのは「シンガポール在住の漢民族の女性で、かつエクソンにDRD4-7Rを持つ人はシンガポール在住の漢民族の女性でかつエクソンにDRD4-7Rを持たない人よりもリベラル政党に投票する割合が統計的に有意に高い」ということだけです。私はシンガポール政治に関して詳しく知りませんし、また調査対象が漢民族の女性で大学生でシンガポール人という限られた集団のみとなっていますのでこれを持って「DRD4-7Rを持つ人は政治的思想が左派的=リベラルになる、それも世界中の全員が」ということはできないでしょう。
まあDRD4-7Rによって生じる脳の変化がこういう結果としてシンガポールの政治に影響を及ぼす可能性がある、っていうのはDRD4-7Rによって狩猟に適した脳になる・より遠くに行きたがるという人類学的な調査と同じくらいに学術的価値のある情報であると言えるでしょう。
「Friendships Moderate an Association Between a Dopamine Gene Variant and Political Ideology」
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3265335/
こちらの調査ではアメリカ・イギリス・オーストラリアの人らを対象にN数=1941の調査で線形重回帰モデルを利用して回帰係数とp値を割り出す、という手法で政治的思想とDRD4-7Rとの関係を論じています。この論文では保守派の思想を仮に2、リベラル派の思想を仮に4として数値化し非血縁者で家族のDRD4-7Rの有無、血縁者で家族のDRD4-7Rの有無、友人の数、年齢、性別、血縁者で家族のDRD4-7Rの有無と友人の数を掛けた値の6点の回帰係数・p値を算出しています。

統計的仮設検定においてはたいてい場合0.05を有意水準としp値が0.05を下回れば「ああ、これは偶然の一致じゃなくてなんか関係がありそうだね」という有意性の判定を行うのですが、この基準で言うなら「すご〜く僅かだけども、血縁者で家族のDRD4-7Rの有無と友人の数を掛けた値がちょこっと高いと少しだけリベラルっぽくなる」という傾向があるのは確かなようです。
また有意性の判定という観点からはビミョ〜ですが、単体で見ればむしろDRD4-7Rの存在はすご〜く僅かだけれども調査された人を保守っぽくしている傾向があります。また性別が男性でも少しだけ保守っぽくなるようです。
統計的にほぼ確実であると言えるのはDRD4-7Rを持つ人が保守かリベラルになるかはその人の友人の数も関係していて、多いとリベラルっぽく・少ないと保守っぽくなるということのようです。一方DRD4-7Rを持たない人は友人の数が政治的思想と関係するという傾向が全くないようなので、どちらかっていうとDRD4-7R単体が政治的思想に影響するというよりかはその人間関係もセットで政治的思想に何かしらの影響を及ぼすということでしょう。個人的な感想ですが、これは私の直感に大体合致するかなと思ったんでDRD4-7Rの有無と政治的思想を論じるものとしては甚く納得しました。
つーわけで「多動症のエクソン遺伝子(DRD4-7R)があるとリベラル政党に投票しやすくなる」という奇説は「シンガポールの学生らに調査対象を絞るか、あるいは友人が多い陽キャのDRD4-7R保有者に限って言えば大体当てはまっている。DRD4-7Rの有無とその人間関係がセットで政治的思想に何かしらの影響を及ぼすというのは統計学的にはほぼ確実。詳しくはもっと調べてみないとよく分かんない」というのが結論です。いや〜こんなクソ真面目に本を読んだのは卒論の時以来、あるいはとある大学のゼミに物申した時以来だったんで面白かったですね。




